木曽漆器
木曽漆器は、長野県に伝わる漆器で、1975年に、経済産業省に伝統的工芸品に指定されました。
伝統的な技術・技法については、「木曽春慶」、「木曽変わり塗り」、「塗り分け呂色塗」の3種について定められている。
産地は、長野県松本市、木曽郡木曽町、塩尻市。産地組合は木曽漆器工業協同組合。
●技術・技法
・木曽春慶
木肌の美しさを活かすため、木曽檜の良質材を選び、下地付けを行わないで最初から漆を摺り込み、木質部まで漆を染み込ませる技法
塗漆は、下地をせず、木地に直接精製生漆を繰り返し、「すり漆」した後、精製透漆を塗布する。
木地造りは、丸太を「みかん割り」したものを「へぎぼうちょう」を用いてへぎ、板物又は曲げ物に成型する。
・木曽変わり塗り
型置き漆の上に幾層もの色漆を塗り込み、研ぎ出しにより斑模様を表現する技法
下地は、生漆に錆土等を混ぜ合わせたものを繰り返し塗布することにより「堅地下地造り」をする。
上塗りは、たんぽを用いて精製ろいろ漆を置き、多種の精製彩漆を重ねて塗布した後、砥石、砥炭等を用いて研ぎ出しをする。
仕上げは「呂色塗り」とする。
・塗り分け呂色塗
数種類の色漆により幾何学模様を加飾し塗り分ける技法
下地は、生漆に錆土等を混ぜ合わせたもの繰り返し塗付することにより「堅地下地造り」をする。
上塗りは、多種の精製彩漆を用いて「塗り分け」をする。
仕上げは「呂色塗り」とする。
●主な原材料
漆は、天然漆とする。
木地は、ヒノキ、カツラ若しくはトチ又はこれらと同等の材質を有する用材とすること。
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